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柴田 大受; 石原 正博
Proceedings of International Conference on Advanced Technology in Experimental Mechanics 2003 (ATEM '03) (CD-ROM), 5 Pages, 2003/09
酸化損傷は黒鉛材料の巨視的な特性を悪化させる一つの要因として考えられている。特に高温ガス炉への応用においては、黒鉛内部の酸化劣化状態を予測し、ヤング率等の機械的特性を把握することが重要である。そこで、内部酸化状態及びこれに起因するヤング率等の評価のための基礎的な検討を行い、超音波伝播特性を考慮した新たな評価モデルを提案した。提案モデルは結晶粒の方向依存や気孔形状等を確率論的に取り扱うものである。本モデルからは超音波の波高値,減衰特性等とともに音速が得られる。そこで、超音波の音速からヤング率を評価し、実測値との比較検討を行いモデルの妥当性について検討したところ、微粒等方性黒鉛及び粗粒異方性黒鉛についてヤング率の気孔率依存性が実測値と予測値でよく一致した。すなわち、本モデルが黒鉛材料に適用性できることが明らかとなった。
柴田 大受; 石原 正博
Transactions of 17th International Conference on Structural Mechanics in Reactor Technology (SMiRT-17) (CD-ROM), 8 Pages, 2003/08
高温ガス炉の炉内黒鉛構造物は、酸化や中性子照射などにより機械的特性が徐々に変化するため、供用期間中にその健全性を確認する必要がある。酸化による機械的特性の低下は黒鉛内部の気孔の状態に依存するので、結晶粒や気孔などの微細構造に基づいた多結晶体中の超音波伝播解析モデルを用いれば、非破壊的な機械的特性評価が可能になる。一方、このモデルを炉内の黒鉛に適用するには、中性子照射の効果を考慮する必要がある。そこで、新たに中性子照射の効果を考慮した超音波伝播モデルを開発し、HTTRで使用されているIG-110黒鉛のヤング率について、その適用性を検討した。その結果、炉内黒鉛構造物の機械的特性の評価にこの解析モデルを適用できる見通しを得た。
柴田 大受; 石原 正博
Transactions of 16th International Conference on Structural Mechanics in Reactor Technology (SMiRT-16) (CD-ROM), 8 Pages, 2001/08
黒鉛は酸化により機械的特性が低下するため、高温ガス炉の炉内黒鉛構造物は供用期間中検査においてその健全性を確認する必要がある。酸化による機械的特性の低下は黒鉛内部の気孔状態に依存するので、気孔状態の変化から機械的特性を評価するため、多孔質セラミックス中の気孔と超音波との衝突過程に基づく超音波伝播モデルの酸化黒鉛への適用性について検討した。この超音波伝播モデルを用いて、酸化の進行に伴う黒鉛のヤング率の低下について調べ、酸化に伴う黒鉛内部の気孔状態の変化として気孔寸法、気孔率に加えて気孔形状の変化が解析上重要な因子の一つであることを示した。その結果、酸化による黒鉛の機械的特性の低下の評価にこの解析モデルを適用できる見通しを得た。
石原 正博; 柴田 大受
第4回構造物の安全性・信頼性に関する国内シンポジウム講演論文集, p.101 - 108, 2000/00
セラミックスの超音波伝播メカニズムとして、入射した超音波と均一に配列した気孔との相互干渉を考慮したものが高坪らにより提案され、微細構造と超音波物性との相関性について研究が進められている。一方、実用的な材料の場合には、黒鉛の酸化のように気孔サイズが一様でない場合が多く、この場合の超音波波形の解析が重要であることが多い。そこで、本報告では気孔サイズが異なる場合の超音波波形について解析的な検討を行い、超音波と非均一に配列した気孔との相互干渉効果を考慮した超音波伝播モデルを提案した。提案モデルの工学的な応用として、超音波伝播モデル及び破壊力学モデル組み合わせモデルを検討したところ、この組み合わせモデルにより超音波伝播波形から酸化後の黒鉛材料の強度予測が可能であることがわかった。
石原 正博; 柴田 大受
日本機械学会第12回計算力学講演会講演論文集, 5, p.289 - 290, 1999/00
多孔質セラミックス中の伝播波形について、入射波と気孔との相互作用を考慮して、乱数を用いたシミュレーション解析を行った。解析では、相互作用として気孔に当たらずに進む直接波、気孔の周辺を回る迂回波及び気孔により跳ね返される反射波の3つのモードを考慮した。シミュレーション解析と確率論的観点から求められる理論解との比較により、モデル化する気孔の層数が100程度で、試行回数を100回程度とすれば、伝播波が平均値及び波形ともに理論解とほぼ一致することがわかり、乱数を用いた伝播波形についてのシミュレーション解析の妥当性が示された。